はしかの症状と予防接種

子供がかかりやすい病気に、「はしか」があります。これは、はしかウイルスによる感染症で、予防接種を受けるまでの1歳前後の子供に多く見られます。 最初は38度前後の発熱やせきなど、風邪に似た症状が発生します。この症状はカタル期と呼ばれ、3~5日ほど続きます。

熱が一度下がると、次に頬の内側にぽつぽつと発疹が発生し、再び40度近い高熱が出ます。これは発疹期と呼ばれ、発疹は徐々に全身に広がっていきます。発疹期も3~5日ほど続き、高熱が続くために食欲が落ち、体力や免疫力も低下します。せきもひどくなるため、肺炎や急性喉頭炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

発疹期を過ぎれば熱は下がり、全身の発疹も徐々に消えていきます。ここまで来れば一安心ですが、様子を見てしばらくは安静に過ごすようにしましょう。

はしかは伝染病であるため、熱が冷めてから最低3日経過しないと登校することはできません。ワクチンは予防接種法により公費負担となっているので、1歳になったらなるべく予防接種を受けるようにしましょう。

また、幼少時代にはしかにかかった経験のない人は、10代や20代で発病するケースも見られます。大人になってから発病すると重症化しやすいため、そのような人は定期的に予防接種を受けるようにしましょう。

はしかは年間に数千人が発病し、数十人が死亡しています。2006年度から麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)が接種可能となり、近年ははしかを根絶する取り組みが盛んに行われています。